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遥斗は、亜也に電話をしていた。
図書館で、亜湖に会ったことを話す。
学校では、文化祭の準備をしている様子なども伝えた。
「今度の休み暇?」
「うん」
「水族館行くんだけどおまえもいくか?」
「お母さんに相談してみるね」
「無理するんなよ」という遥斗
その約束を同室の明日美が聞いていた。
「デートの約束だ。彼氏?」と聞く。
「高校のクラスメート」という亜也に
「いつも携帯そばに置いて
鳴るの待ってるみたいだから。どんな人?」と聞く明日美
亜也は、遥斗のことを話す。
「最初に会った時は、変なやつって思っていた。
態度悪いし、嘘つくし。
でも、すごく私が辛い時なぜかそばにいてくれて
不思議なんだけど麻生くんといる時だけは
あたしいつのまにか病気だってこと忘れてるんだ」
「ふーん・・
なんかのろけられちゃったなあ」という明日美だった。
遥斗といると病気だってこと忘れちゃうくらい
優しい時間だったんですね。
聞いていてほほえましかったです。
-------
亜也は、遥斗とともに水族館を訪れた。
大きなプールの中を自由に泳ぐイルカたちの姿を、うらやましそうに見つめる亜也。
イルカは人間の耳には聞こえない超音波で物体の位置を確かめたり、
遠くにいる仲間と会話したりしているらしい、と遥斗に教えられた亜也は、
人間も遠くにいる人とそんな風に話せればいいのに、とつぶやいた。
遥斗は、そんな亜也のために、「いるかほど便利じゃないけど」と
おもちゃのイルカが付いた携帯電話用のストラップを売店で買い、
亜也と自分の携帯電話につけた。
水族館を出た亜也と遥斗は、バス停に向かった。
しかし、ちょうどバスは出発した後だった。
遥斗は、大通りに出てタクシーを拾おうとするが、亜也が電動車椅子に乗っているせいか、素通りされてしまう。
そのとき、車椅子が段差にひっかかり急に雨が降り出してきた。
遥斗は、自分の上着を亜也にかけ、雨宿り出来る場所を探した。
-------
遥斗が池内家を後にすると、携帯電話が鳴った。
亜也からだった。
「今日は、ごめんね
いろいろ迷惑かけちゃって
さっきお母さんがいってたこと
あのね・・」
「ごめん雨でよく聞こえない」と遥斗
「やっぱり聞こえにくいかな」
「そんなことない 大丈夫だよ」
「もう、前みたいにはいかないんだね
車椅子押してもらうことはあっても
もう、一緒には歩けないし
雨に濡れたくらいで
大騒ぎさせちゃうし
きっとそのうち話せなくなって
電話もできなくなっちゃうんだろうね
もう、全然違うね
東高にいたころとは
麻生くんとは、もう住む世界が違っちゃったのかも」
亜也は、電話を閉じ、泣いていた。
-------
遥斗は、仲間たちと歩いていたが
ふいに立ち止まる
「悪い、ちょっと寄ってくところあるから」
亜也は、養護学校で花に水をあげていた
「久しぶり。
電話できなくて直接きた」という遥斗
『聞く気持ちがるある人には必ず伝わるから』という水野からの言葉を思い出す亜也
「今日ね、夢・・みたんだ・・」
「夢?」
「いつも、見る夢の中ではね
歩いたり、走り回ったり自由に動けるの
初めて麻生くんとあった頃みたいに
でもね、今日の夢は違った。
あたし、車椅子に乗ってた。
夢の中でも、あたしは、体が不自由だった。
自分の体のこと、認めてるつもりでも
心の底では、認めてなかったのかも
これがあたしなのにね」
「オレの今の気持ち言っていいか?
ずっと先のことなんてわからない
けど、今の気持ちは100パーセント嘘がないって自信持って言える。
オレ、おまえが話すならどんなにゆっくりでもちゃんと聞く。
電話で話せないならこうやって直接会いにくる。
オレ、イルカじゃねーし
おまえもイルカじゃねーし
おまえが歩くならどんなにゆっくりにでも歩く。
今は、頼りにならないかもしれないけど
いつか、お前の役に立ちたい
昔みたいにいかなくてもそういう気持ちでつながってるから
住む世界が違うとは思わない
オレ、おまえのこと
好き・・だろ」
ちらっと照れた顔を覗かせる
「好きなのかも・・多分・・」
「あり・・がと」と亜也は笑顔で答えた。
図書館で、亜湖に会ったことを話す。
学校では、文化祭の準備をしている様子なども伝えた。
「今度の休み暇?」
「うん」
「水族館行くんだけどおまえもいくか?」
「お母さんに相談してみるね」
「無理するんなよ」という遥斗
その約束を同室の明日美が聞いていた。
「デートの約束だ。彼氏?」と聞く。
「高校のクラスメート」という亜也に
「いつも携帯そばに置いて
鳴るの待ってるみたいだから。どんな人?」と聞く明日美
亜也は、遥斗のことを話す。
「最初に会った時は、変なやつって思っていた。
態度悪いし、嘘つくし。
でも、すごく私が辛い時なぜかそばにいてくれて
不思議なんだけど麻生くんといる時だけは
あたしいつのまにか病気だってこと忘れてるんだ」
「ふーん・・
なんかのろけられちゃったなあ」という明日美だった。
遥斗といると病気だってこと忘れちゃうくらい
優しい時間だったんですね。
聞いていてほほえましかったです。
-------
亜也は、遥斗とともに水族館を訪れた。
大きなプールの中を自由に泳ぐイルカたちの姿を、うらやましそうに見つめる亜也。
イルカは人間の耳には聞こえない超音波で物体の位置を確かめたり、
遠くにいる仲間と会話したりしているらしい、と遥斗に教えられた亜也は、
人間も遠くにいる人とそんな風に話せればいいのに、とつぶやいた。
遥斗は、そんな亜也のために、「いるかほど便利じゃないけど」と
おもちゃのイルカが付いた携帯電話用のストラップを売店で買い、
亜也と自分の携帯電話につけた。
水族館を出た亜也と遥斗は、バス停に向かった。
しかし、ちょうどバスは出発した後だった。
遥斗は、大通りに出てタクシーを拾おうとするが、亜也が電動車椅子に乗っているせいか、素通りされてしまう。
そのとき、車椅子が段差にひっかかり急に雨が降り出してきた。
遥斗は、自分の上着を亜也にかけ、雨宿り出来る場所を探した。
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遥斗が池内家を後にすると、携帯電話が鳴った。
亜也からだった。
「今日は、ごめんね
いろいろ迷惑かけちゃって
さっきお母さんがいってたこと
あのね・・」
「ごめん雨でよく聞こえない」と遥斗
「やっぱり聞こえにくいかな」
「そんなことない 大丈夫だよ」
「もう、前みたいにはいかないんだね
車椅子押してもらうことはあっても
もう、一緒には歩けないし
雨に濡れたくらいで
大騒ぎさせちゃうし
きっとそのうち話せなくなって
電話もできなくなっちゃうんだろうね
もう、全然違うね
東高にいたころとは
麻生くんとは、もう住む世界が違っちゃったのかも」
亜也は、電話を閉じ、泣いていた。
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遥斗は、仲間たちと歩いていたが
ふいに立ち止まる
「悪い、ちょっと寄ってくところあるから」
亜也は、養護学校で花に水をあげていた
「久しぶり。
電話できなくて直接きた」という遥斗
『聞く気持ちがるある人には必ず伝わるから』という水野からの言葉を思い出す亜也
「今日ね、夢・・みたんだ・・」
「夢?」
「いつも、見る夢の中ではね
歩いたり、走り回ったり自由に動けるの
初めて麻生くんとあった頃みたいに
でもね、今日の夢は違った。
あたし、車椅子に乗ってた。
夢の中でも、あたしは、体が不自由だった。
自分の体のこと、認めてるつもりでも
心の底では、認めてなかったのかも
これがあたしなのにね」
「オレの今の気持ち言っていいか?
ずっと先のことなんてわからない
けど、今の気持ちは100パーセント嘘がないって自信持って言える。
オレ、おまえが話すならどんなにゆっくりでもちゃんと聞く。
電話で話せないならこうやって直接会いにくる。
オレ、イルカじゃねーし
おまえもイルカじゃねーし
おまえが歩くならどんなにゆっくりにでも歩く。
今は、頼りにならないかもしれないけど
いつか、お前の役に立ちたい
昔みたいにいかなくてもそういう気持ちでつながってるから
住む世界が違うとは思わない
オレ、おまえのこと
好き・・だろ」
ちらっと照れた顔を覗かせる
「好きなのかも・・多分・・」
「あり・・がと」と亜也は笑顔で答えた。
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