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遥斗は、亜也を追いかける
階段のところで
乗れよと亜也をおぶう

昇降口で亜也を車椅子に乗せる
亜也は、泣き出す
遥斗は、ハンカチを差し出す

やがてふたりは、初めて出会ったあの歩道橋にやってきた。
「なんかいってよ
ペンギンの話とか魚とか犬とか
そういうのネタぎれ?
嘘ついてももう怒んないから」

「なんもできない
あいつらにもえらそうなこといって
オレだってあいつらと同じだよ
おまえの病気知ってておまえが辛いの近くでみてて
結局なんもできなかった
頭でっかちで口先ばっかで
おやじのいうおとりだよ
ただのガキで」

「そんなことないよ
いつも励ましてくれた
誰にもいえないような話
聞いてくれた
沈んでいる時に笑わせてくれた。
そばにいてくれた。
あたしが辛い時は、いつも一緒にいてくれた」

「ありがとう 麻生くん」
亜也は一人で車椅子を進める
「バイバイ」
遥斗も泣き崩れる
空には粉雪が舞っていた
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『終業式まであと4日。
 みんなが私の為に千羽鶴を折ってくれているようだ。
 一生懸命折ってくれている姿を
 まぶたの裏に焼き付けておこう。
 たとえ別れても、決して忘れないために。
 でも
 「亜也ちゃん、行かないで」と言って欲しかった。』

「1リットルの涙」より
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